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紳士諸君といわれない男の群れ(小説)


     
     ♪ 文 楽 小 説 断 片 第 1 集 ♪

     紳士諸君といわれない男の群れ


     目が覚めると一人の男は静かに立ち上がり窓を開けた。
     朝靄に抱かれた街々がまだ薄明かりの中で眠っている。

     外気は冷たい。顔を少し水気を含んだような
     冷気が撫でていく。

     皮膚が貫かれるようなピリッとした冷たさだ。
     「いい朝だ」男は心の中でそう呟いた。

     遠くにうっすらと山の頂が見える。
     家の灯りや道路が無人の大地に静かに横たわっている。

     それは、世界が死んだような眺めだった。
     男は、その景色をじっとみつめた。
     その風景がまるで自分のものであるように、

     憂いと一種の憎悪にも似た表情で遠い獲物を
     追っているがごとく、眼は異様な鋭さをもって光った。

     何分くらい眺め続けただろうか・・・
     男は、ワイシャツを着てズボンをはいた。

     窓外を眺め続けている間、男はシャツとブリーフ
     だけでずっと佇立していたのだった。

     薄黄色のワイシャツに青色の縦じまのズボン、
     男の肉体は、鍛え抜かれた筋肉で身に着けた
     衣服を適当に膨脹させた。

     肩幅といい、胸の厚みといい、圧倒される
     ような躍動感が男の肉体にはあった。

     はい・ストップ  

     この男は、これから何をしょうとしているのだろう。
     このあとは、あなたの想像でこの男を動かして下さいね。

















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